デジタルツールを5つBOOTHで販売して分かったこと|AIを活用した個人制作を仕組みにするまで
最初から、5つのデジタルツールを並べようと思っていたわけではありません。
ひとつ作ってみる。
実際に動かしてみる。
商品として販売できる形に整える。
公開してみて、「ここも必要だった」と気づく。
そして次の商品では、その経験を最初から制作工程に入れる。
そんなことを繰り返しているうちに、BOOTHの「コツコツデジタルストア」には5つのデジタルツールが並びました。
振り返ってみると、完成したのは商品だけではありませんでした。
思いついたものを形にして、試して、説明して、実際に人へ届けられる状態まで持っていく。そのための流れそのものが、少しずつできていったように思います。
今回は、5つのデジタルツールを実際に制作・販売してみて分かったことを残しておきます。
作った5つは、全部違うものだった
コメモン
配信中にコメントした人に、その人だけのモンスターが生まれ、配信へ通った日数に応じて育っていく参加型の配信ツールです。
わんコメとOBSを組み合わせて使い、コメントした人ごとに違う「うちの子」が配信画面に残ります。
もくもん
ポモドーロタイマーで集中した時間に合わせて、画面の片隅にいる相棒が育っていくWindows向け作業アプリです。
集中時間、ToDo、作業記録、BGMなどをひとつにまとめています。
うちの子カードメーカー
TRPGの探索者や創作キャラクターの立ち絵とプロフィールから、紹介カードや通過記録カードを作るブラウザツールです。
デザインソフトを使わなくても、1枚の画像としてまとめられるようにしました。
ですくとっぷ水族館
PC画面のすみに小さな水槽を置き、魚を育てたり、掛け合わせたりしながら図鑑を埋めていくWindows向け放置・収集ゲームです。
作業をしている横で少しずつ魚が育っていきます。
へやスイッチ
普段使うアプリ、フォルダ、ファイル、Webサイトとウィンドウ配置を「部屋」として覚えておき、ボタンひとつで作業環境を呼び戻すWindows向けツールです。
仕事部屋、配信部屋、お絵かき部屋のように、作業ごとに環境を切り替えられます。
こうして並べてみると、配信、集中、TRPG、ゲーム、作業効率化と、用途はかなり違います。
ただ、作る過程には共通する部分がたくさんありました。
最初は「動けば完成」に近い感覚だった
アプリやツールを作るとき、最初に目が向くのは当然その中身です。
機能が動くか。
ボタンを押したら期待した結果になるか。
保存したデータが次回も残っているか。
作り始めたころは、そこまでできれば「ほぼ完成」という感覚がありました。
でも、実際に販売しようとすると、それだけでは足りません。
商品として届けるには、
といったものまで必要になります。
以前、音楽をBOOTHで販売したときにも「曲が完成することと、商品が完成することは別だった」と感じました。詳しくは音楽をBOOTHで販売したときの記録にも残しています。
デジタルツールでも同じでした。
5商品すべてに無料版を用意した
今回の5商品には、すべて無料版があります。
これは「まず無料で使ってもらいたい」という意味だけではありません。
特にWindows向けアプリでは、利用しているPCや一緒に使うアプリによって動き方が変わることがあります。
へやスイッチなら、管理者権限で動いているアプリや一部のMicrosoft Storeアプリなど、環境によって扱えないものがあります。
コメモンなら、わんコメやOBSなど、ほかのツールと組み合わせて使います。
そう考えると、
購入する前に、自分の環境で実際に試せること
にはかなり意味があります。
無料版を単なる機能制限版ではなく、「この商品が自分に合っているかを確認する入り口」として考えるようになりました。
商品画像6枚とデモ動画が、ひとつの型になった
5商品を作る中で、商品ページの見せ方にも共通の形ができました。
現在は、基本的に商品ごとに複数の説明画像を用意し、さらに短いデモ動画を付けています。
画像では、
- 何の商品なのか
- どんな悩みや用途に向いているのか
- どうやって使うのか
- どんな機能があるのか
- どんな特徴があるのか
- 無料版と完全版はどう違うのか
といった順番で、初めて見る人でも理解しやすいように整理します。
動画では、文章や静止画だけでは伝わりにくい「実際に動いたときの感じ」を見せます。
最初は「商品画像を何枚用意するか」ということ自体を毎回考えていました。
今は、
何枚作るかより、初めて見る人が順番に理解できるか
を考えるようになりました。
AIは「全部やってくれるもの」ではなかった
今回の制作でも、AIはさまざまな場面で活用しています。
アイデアを整理する。
仕様を整理する。
文章を読み直す。
抜けている確認項目を探す。
実装やテストを進める。
商品ページに必要な情報をまとめる。
一人で全部を抱えるより、かなり多くのことを進められるようになりました。
ただ、AIを使えば、自動的に良い商品が完成するわけではありません。
何を作るのか。
実際に使ってみて面白いか。
この機能は本当に必要か。
説明文に誤解を生む表現がないか。
無料版と完全版の分け方はこれでいいか。
公開してもよい状態なのか。
そういった判断は、最後には自分で確認する必要があります。
今の自分にとっては、その使い方が一番しっくりきています。
なお、商品ごとに使った制作ツールや工程は同じではありません。
「5商品を全部同じAIだけで自動生成した」というものではなく、必要なところでAIやさまざまなデジタルツールを使いながら、自分で確認して完成させています。
一番変わったのは「次に何をするか」が分かるようになったこと
1商品目では、一つ進めるたびに、
「次は何を用意すればいいのだろう」
と考えていました。
しかし、何度か繰り返すと、だいたいの流れが見えるようになります。
- 作りたいものを決める — どんな場面で使うものなのかを整理する。
- 実際に動くものを作る — 機能を実装し、基本動作を確認する。
- 無料版と完全版を整理する — まず試してもらう範囲と、完全版の機能を決める。
- 説明と注意事項を整える — 使い方、保存先、制約などを確認する。
- 商品画像を作る — 初めて見る人に順番に伝わるようにする。
- デモ動画を用意する — 実際の動きを短く見せる。
- BOOTHへ登録する — ファイル、価格、商品説明を確認する。
- 公式サイトにも残す — BOOTHだけでは伝えきれない情報を整理する。
- 公開状態を確認する — リンク、画像、動画、価格などを実際のページで見る。
- 次の商品へ経験を引き継ぐ — 良かった流れを次回の最初から使う。
この流れが見えるようになったことで、「新しいものを作る」という作業への心理的なハードルも少し下がりました。
ゼロから全部を考え直すのではなく、すでにある型の中で「今回は何が違うのか」を考えればよくなったからです。
公式サイトを作ったことで、BOOTHとの役割も分かれてきた
商品を販売する場所としては、BOOTHがあります。
実際の購入や無料版のダウンロードは、BOOTHの商品ページから行います。
一方で、公式サイトを作ってみて、BOOTHとは違う役割があることも分かってきました。
公式サイトでは、
- 商品についてもう少し詳しく説明する
- デモ動画を見せる
- 無料版と完全版の違いを整理する
- 動作環境や制約をまとめる
- 他の商品へ案内する
- 制作して分かったことを活動記録として残す
といったことができます。
BOOTHが「商品を受け取る場所」だとすれば、公式サイトは「何を作っている人なのかまで含めて知ってもらう場所」に近いのかもしれません。
5つの商品ページを作ったことで、公式サイトの中でも「デジタルツール」という活動が少し形になってきました。
5つ並んだから完成、というわけではない
BOOTHに5つの商品が並び、公式サイトにも5つの商品ページができました。
これは一つの区切りだと思います。
でも、一番大きかったのは「5」という数ではありません。
以前なら、
「こういうものがあったら面白そうだけど、自分には作れない」
で終わっていたかもしれないアイデアを、実際に形にして、動かして、商品として公開するところまで進められるようになったことです。
もちろん、AIを使えば何でも簡単に完成するわけではありません。
うまく動かないこともあります。
説明が間違っていて直すこともあります。
公開直前になって、価格や仕様をもう一度確認することもあります。
それでも、一つずつ確認して前へ進めれば、以前はできなかったものが実際に形になります。
その経験が積み上がったことが、5商品を作って一番大きかったことかもしれません。
これからも、作りたいものが出てきたら、また一つずつ形にしていこうと思います。
そして、作る中で分かったことや失敗したことも、この活動記録に残していきます。